実際に「あおり運転」の被害を体験しなければ、気が付かなかったであろうことが意外と多いです。ここでは、筆者が「あおり運転」の被害を受けたからこそ分かったこと、感じたこと、考えさせられたこと、などをシリーズで紹介します。
ドライブレコーダーの録音機能は意外と有効
受けた「あおり運転」の被害を、後に証明するためにドライブレコーダー画像が極めて有効であるのは、繰り返し申しあげていて、これに異論を唱える人はいないでしょう。
説明や資料を通じ、第三者に納得してもらうには、ドライブレコーダーの映像は、とても効果的です。多くの場合、これに勝る証拠はないと言っても過言ではありません。
こうした中、画像そのものが証拠として価値が高いことは言うまでもないのですが、意外と録音機能も、映像に勝るとも劣らず有効です。なぜならば、「警察に通報している内容」「状況の危険度」「車内の危機感・緊張感」が記録できているからです。
例えば、筆者の場合、車両の真横から幅寄せされて大声で威嚇されるような場面がありました。筆者のドライブレコーダーは車両前方のみの撮影しかできなかったのですが、車内の録音機能がついていました。
大声で威嚇された時は、相手方の車両は真横であったので車両自体は映っていなかったのですが、ドライバーの怒鳴り声や威嚇している様子は、一部始終録音されていました。もし録音されていなかったら、大声で威嚇されたことを証明するのは難しかったと思います。
警察への通報も録音できている
筆者の場合は、「あおり運転」を受けている最中に、警察に通報し助言をや指示を受けていました。担当していた警察官の話し声は録音できてないのですが、筆者の声は鮮明に録音されていました。
こうしたやり取りの流れが映像と共に録音されているので、「どのタイミングで何を話しているのか」が明確で、後になって証拠として整理し、説明するときにとても有効でした。
昨今の携帯電話には、アプリなどを活用することで通話を録音することが可能です。しかしながら、ドライブレコーダーと録音媒体が別なので、どうしても画像と声をマッチングさせる加工が必要になります。
こうした加工は、考えている以上に面倒なもので、意外と時間がかかってしまいます。また、加工することで証拠性が低くなってしまう恐れもあります。
ところが、ドライブレコーダーに録音機能がついていれば、最初から画像の流れと一緒に音声が記録されているので、加工する必要は全くありません。これは、資料を作成するうえで、かなりの作業軽減につながり、高い証拠性も確保できます。
そして、上述した流れは、ドライブレコーダーが常時記録できるタイプであることが前提といえます。したがって、常時記録できるタイプの機器を装着するのが重要です。