あおり運転によって被った精神的苦痛などの程度に応じて、損害賠償(慰謝料)を請求するために民事裁判を起こしました
提訴と訴状について
損害賠償(慰謝料)などに関する請求は刑事訴訟ではなく民事訴訟で争うことになります。
そして、請求金額が140万円以下の場合の取り扱いは、簡易裁判所です。原則として相手方の住所を所轄する裁判所に起こします。
訴状の構成
訴状は、全部で6ページ程度で、構成は以下です。
訴状の具体的な内容
以下、本件で実際に提出した訴状を可能な範囲で掲載します。互いの個人情報や発生場所などが特定される恐れのある情報は、削除または表現を変えています。
全般的な趣旨は変わっていないので、参考にしていただけたら幸いです。
訴状(1頁目)
訴 状
*******簡易裁判所 御中
原告訴訟代理人
弁護士 *****
平成**年**月**日
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
慰謝料請求事件
訴訟物価額 金**万円
貼用印紙額 金****円
当事者目録(2頁目)
当事者目録
〒***-**** *******************
原告 *****
〒***-**** *******************
*******法律事務所(送達場所)
TEL***-***-****
FAX***-***-****
上記原告代理人 弁護士 *****
〒***-**** *******************
被告 *****
第1 請求の趣旨(3頁目)
第1 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金**万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決並びに仮執行宣言を求める。
第2 請求の原因(4頁目)
第2 請求の原因
1.平成**年**月**日午前7時25分頃、***市***番地付近の交差点において、原告の運転する車両(以下「原告車両」という。)は、東向きで赤信号のため停車した。青信号を確認した後、左折を開始した。そうしたところ、被告の運転する車両(以下「被告車両」という。)が、赤信号を無視し、北側から南向きで交差点に進入し、そのまま右折した。その際原告は、反射的に「危ない」と車内で叫んだ。
2.同7時26分頃、原告車両は、同市****丁目*番付近交差点において、赤信号を北向きに停止していた。そうしたところ、被告は、原告車両の右側にある右折レーンに被告車両を横付けし、窓を開け、原告に対し大声で威嚇してきた。
3.同7時27分頃、信号が青に変わり、前方車両が動き出したため原告は北方向へ直進しようと原告車両を発進させようとした。ところが被告が、急ハンドルにて原告車両の前に斜めに進入し、原告車両の進路を塞ぎ、原告車両が発進できないようにした。こうした状況下、原告車両は左前方に僅かな空間を見出し前進を試みたが、被告は同交差点にて同様の進路妨害を3回繰り返し、徐々に原告車両を道路左端に追い込み、ついには原告車両の進路を完全に塞いだ。
4.原告は、かなりの恐怖心と身の危険を感じた。このまま停止し続けるのを危険と感じた原告は、車両をバックさせた。被告も車両をバックさせた為、前方が開いた瞬間原告は車両を前進させ、北方向へ加速進行した。
5.しかし被告は、更に原告車両を追跡してきた。追い越し禁止及び時速40キロ制限のある道路上において被告は、時速約100キロという猛スピードで原告車両に接近し、猛加速にて原告車両を追い越した。更に被告は、追い越し行為を行なった後、車間距離をとることなく、急ハンドルにて走行する原告車両の前方に進入し、急制動を行なうなど、同市****丁目*番付近の路上まで、上記危険運転を繰り返したものである。
6.原告は、被告の危険運転行為に身の危険を感じたため、車両をUターンさせ、反対方向へ進行し始めた。それに気づいた被告も、同様の行動をし、また原告車両を追跡してきたものである。
7.原告は、携帯電話にて110番通報をした。そして、警察の助言にもとづき、近くのコンビニエンスストア(****店)前に、車両を停車させた。被告は、電話中の原告を確認しつつ、原告車両の横を猛スピードで南に走り去った。
8.被告の原告に対する、猛スピードでの追跡、速度制限があり、しかも追い越し禁止である一般道における猛スピードによる追い越し及び原告車両前方への急割り込み急停止という一連の行為によって、原告に対し、その生命身体自由に対する害を加うべきことを告知し、もって原告を脅迫したものである。このことにより原告の蒙った精神的苦痛の損害を金銭に評価するならば金**万円を下回ることはない。
9.よって、民法709条に基づき請求をなすべく、本訴に及んだしだいである。
以上
証拠方法(5頁目)
証拠方法
1 甲第1号証 状況の概要
附 属 書 類
1 訴訟委任状 1通
2 甲号証(写し) 各1通
証拠 甲第1号証(6頁目)
証拠は、警察に被害を申告したときに作成した資料と、ドライブレコーダー動画を準備しました。
提訴後について
訴状を裁判所に送ると、裁判所から相手方に送付されます。
基本的には、相手方は裁判所から送付される「訴状」を受け取った時点で、自分が訴えられていることを知ることになります。