あおり運転被害の教訓と泣き寝入りしないための対策

あおり運転ダメこのページでは、万が一、「あおり運転」の被害を受けた後に、悔いのない解決に向けどうするべきかについて、筆者の体験を教訓とした、筆者なりの考えを述べたいと思います。
もちろん「あおり運転」を未然に防止するための対策も大切なのですが、これについては別の機会にしたいと思います。

証拠がなければ、泣き寝入り!どうすることもできない

あおり運転(急ブレーキ)
これは、今回の「あおり運転」被害で最も強く感じたことです。一部始終を「映像+音声」で記録してくれているドライブレコーダーのありがたさを感じることができました。

もし、筆者の車両にドライブレコーダーがついてなかったら、相手方ドライバーの特定すらできなかったと思います。要するに、民事裁判を起こして損害賠償を求めることなど絶対に無理でした。恐らく、やむなく泣き寝入りしていたことでしょう。
そして警察はもとより、弁護士にですら、事実として認識してもらうのは困難であったと考えます。

また、当然のことなのですが、ドライブレコーダーの記録は、それ自体が秒単位の時系列で存在しているため、情報を整理する際に何ら手を加える必要がありません。これは、資料作成上、極めて効率的に作業が進みます。

グーグルマップ(衛星画像)の活用は絶大な効果

●交差点Aの詳細交差点Aの詳細
●交差点Bの詳細交差点Bの詳細
●追い越し瞬間の詳細追い越しの詳細
●Uターン後の詳細Uターンの詳細

ドライブレコーダーのただ一つの弱点は、全ての情報を一度に確認できないことです。すなわち、5分間の「あおり運転」被害を受けた場合、全体を把握するためには最低でも5分間の動画を見続けなければなりません。

しかし、この5分間を「グーグルマップ(衛星画像)」に落とし込んだ資料を作成することで、その全体像を瞬時に見渡すことができるようになります。これは、第三者(警察官や弁護士)に説明する際には、極めて有効です。互いに意見を交わし理解を深めてもらううえで重要な役割を果たしてくれました。
理解のしやすさは証拠能力の高さそのものです。これは、証拠として機能するうえでとても重要な要素です。
具体的な資料のイメージはこちら

しかも衛星画像なので位置関係がとても正確で、ドライブレコーダー画像との照合が極めて合理的に進められます。

相手ドライバーの特定や被害の証明は全て自力

重大な事故が発生し刑事裁判等に至った場合は別ですが、原則として警察は民事不介入なので、「裁判を起こして相手に賠償請求します」と警察に意思表示しても、相手ドライバーの情報(氏名や住所)は一切開示してくれません。当然のことながら、警察は「どっちが良い悪い」についても一切言及しません。

要するに、「あおり運転」をした相手方車両の「ドライバーの特定」や「受けた被害の証明」は全て自力で行わなければなりません。こうした状況を鑑み、ドライブレコーダーを付けていなかった場合は、完全に「アウト」でしょう。
少なくとも相手ドライバーの「氏名」と「住所」を明らかにしなければ、訴状を作成することができず、民事裁判で争うことはできません。

万が一、ドライブレコーダーがなくても、「あおり運転」被害を受けた周辺の防犯カメラを確認すれば映っているのでは?
と考える人も多いようです。確かに、そうなのですが、事件化しなければ警察は動きません。今回のような事案では、防犯カメラの位置調査、カメラ所有者への協力依頼、映像の確認、証拠化までの全てを自分でやらなければなりません。普通の人がこれをやるのは、現実問題として無理です。

こんな時に頼りになるのが、弁護士です。車両のナンバーが分かっていれば「弁護士法第23条の2」に基づき、相手方を特定することが可能です。
詳細は「車両ナンバーから「あおり運転」ドライバーを特定する方法」に記載しましたので、是非ご参照ください。

とにかく迅速に進めるのが重要

追い越しで真横に並んだ地点現場検証1
追い越されて急ブレーキを踏まれた地点現場検証2

※ 「あおり運転」被害を受けた場所の現場検証の様子

どんなに本人にとって重大な事案であっても、時間とともに記憶が曖昧になります。人間である以上、これを避けることはできません。したがって、とにかく全てを迅速に進めることが重要です。

これは、本人だけでなく、関わる人の全てにも同じことがいえます。警察官や弁護士は、多くの案件を扱っているため、時間が開いてしまえば、それだけ注意がそがれます。注意がそがれれば、進めるモチベーションも低下してしまうのが自然です。

関わる人のモチベーションが低下してしまうと、それなりの結果しか導けません。こうした状況を回避するためには、やはり可能な限り短期間で、進める以外に方法はありません。

ドライブレコーダーは後方カメラも必要

筆者のドライブレコーダーは前方カメラしかありません。今回の「あおり運転」被害については、偶然にも筆者車両を相手ドライバーが追い抜く形態でのあおり運転だったので、映像内にナンバーを記録することができました。

しかし、追い抜きを伴わない「あおり運転」であったら前方カメラだけではナンバーを記録することはできなかったはずです。正直、あおり運転を受け、命の危険すら感じている最中に、ナンバーを目で確認し、かつフルに記憶できるドライバーは、そういないはずです。

こうした状況を考えると、後ろ向きにもカメラを付けることが可能なドライブレコーダーの方が万全だと感じました。

ドライブレコーダーは常時録画すべし

昨今では、常時録画機能が付いているのがスタンダードですが、純正のドライブレコーダーには未だに設定Gを超えた前後だけ録画する形式のレコーダーがあるようです。

「あおり運転」の被害を受けている全ての区間でGが発生している訳ではありません。常時録画していないと、一連の「あおり運転」の流れの全てを記録できず、Gが発生した部分だけの断片的な記録になってしまいます。

断片的な記録では、全体像を第三者に理解してもらうのがとても難しくなります。本人は、分かっているので「ここと、ここの間はこうやって走っていました」と説明することはできますが、聞いている人はそれぞれの想像に頼ることになり、全体としての証拠能力が低下する恐れがあります。

投稿日:2019年3月27日 更新日:

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